2002年3月のダブコテッジでお友達になったひよこさん。
彼女が友人と作るフリーペーパ(rough)の中で、3月23日の
芸文館でのライブのレポートを書いてくれました。
温かい力作。みなさん、ぜひご一読ください。
ひよこさん、どうもありがとう!
ライブレポート 「アマチュア・アカペラバンド編」 春風とともに届けられた歌は、A cappellaでした。肉声というのは人の心を打ちます。ことに声だけの音楽となると、その力を確かに感じるのでした・・・。ゴスペラーズの登場でアカペラが注目されはじめ、普及してきたのはここ2年くらいでしょうか。テレビにも全国のアマチュアアカペラーたちが出演するほどになりました。3月にアマチュア音楽家のコンサートが倉敷芸文館でありました。岡山は中四国で一番アカペラが盛んな地域のようです。出演グループは7組。その中から「しゃんそん’z」と「Airs」の2組を紹介します。 パフォーマー男性4人のグループ「しゃんそん’z」・・・シャンソンを歌うというわけではないのですが、つかみと締めは「オ〜シャンゼリゼ〜♪」と聞き覚えのあるメロディーが『OH!しゃんそん’z〜♪』に変わり振りつきで歌われます。彼らのライブを見るのは2度目なので待ってましたとばかりに笑みがこぼれます。トークもおもしろい。今回はじめてオチのついたMCができたメンバーもいて記念(?)すべきライブでした。「しゃんそん’z」のよさは楽しいだけではなく心に響いてくる歌にもあります。アカペラの専門的な知識のない私がひきよせられるのは、聴いていて伝わってくるものがあるかどうかだけ。『今夜だけきっと』(スターダスト・レビュー)は恋人との別れで悲しい夜も、明日になったら忘れられる・・・そんな内容の歌詞。聴きながら切なくなり、終わったあともフレーズの一部が頭の中を流れる・・・。再びライブ会場へ足を向けるのは、かすかに残った音色と残像を確かめたくなるから・・。いつものあれが見たくて聴きたくて行くのです。『Stand By Me (spring version)』では‘卒業’の歌をとりいれ時節に合わせたアレンジもみせてくれました。個性的なメンバーと時おりみせる新鮮さが、マンネリズムをこころよいものにするのでした・・。 「Airs」は、男性3名、女性3名、そして10代、20代、30代という世代のわくを超えたグループです。派手ではないのにメンバーひとりひとりの自己主張が感じられ、そのうえでひとつのグループとしてまとまっています。歌声も心地よくて、安定した印象。危なげないステージと思いきや、ライブ中にこんなこともありました。『元気をだして』(竹内まりや)をうたいながら、メンバー同士が顔を見合わせて少しの苦笑い。どうも満足のいかない様子で、うたい終わって「これでは元気がでませんね」と。そんな、はにかんだ場面はプロにはなく身近に感じさせてくれるアマチュアの良さではないかと。これはこんなにいい歌だったかなと、この歌に対するイメージが変わりました。歌うことが好きでそれは本当に楽しいこと、そんなメッセージを送っているような「Airs」。もう少し聴いていたいという思いが、次回のステージを心待ちにさせるのでした。 歌うことに限らず表現するということは、技術的なことだけではなくこれまでの人生経験などもあつめ合わせ作り上げられるものだと思います。それは若々しさ、ういういしさという形でも表れます。「しゃんそん’z」にしか、「Airs」にしか表現できない歌い方で、これからもアカペラのよさを伝えていってほしいと思います。次回お会いできる時を楽しみにしています。ありがとうございました!(敬称略) |